今日はコラム、というよりは誰もまとめたことがないであろうテーマで記事を書いてみようと思います。
ポールハーデンの柄モノについて。
ポールは毎シーズン柄モノをリリースしますがオークションなどでは間違ったシーズン表記で出品されていたり、ひどいものではニセモノが出品されていたり…と、あまり触れることのないアイテムがゆえにわからないことも多いかと思います。
本日はそんなポールハーデンの柄モノについて、シーズンごとの柄の種類をご紹介していこうと思います。
Paul Harnden(ポールハーデン)の柄モノ年代判別
2007SS 花(floral)
ポールハーデンの春夏の定番ともいうべきフローラルプリント。
白ベースに図鑑から引用された花のプリントが施されています。
これ以降のシーズンも植物プリントは多く見られますね。
2009SS 花(floral)
こちらも花のプリント。
花の右上の数字は図鑑のページ数でしょうか。
図鑑の引用なだけあっておしべや胚珠、子房まで描かれたプリントです。
こちらのプリントについてはこのコラムで詳しく解説しております。
Paul Harnden(ポールハーデン)の柄モノの年代(シーズン)判別について
2010AW 森(forest)
木々が鬱蒼と茂っているようすが描かれたプリント。
やはり秋冬は春夏に比べて全面にプリントされたものが多い印象です。
2011SS 卵(Bird Eggs)
こちらも図鑑からの引用でしょうか。
鳥の卵のプリントです。
白い卵もあるので背景はライトブラウンになっているのでしょう。
ロングブレザーにプリントされているとよりインパクトがありますね。
2011AW 犬と少女(Dog Girl)
こちらは絵本からの引用。
ストールのプリントは各ページが横並びのコマのように配されています。
2012SS 兵士と騎馬(Soldiers and Horses)
後年にも登場する兵士プリント。
トートバッグのプリントもそうですが、ポールハーデンには戦争にまつわるイメージが度々登場します。
2012AW 絵本(book)
一度しか見たことがなく、詳細不明です。
なにかの絵本がもとになっているのは間違いないとは思うのですが、ストーリーがまったく掴めません。
どの順番で読めばいいのかも謎。
詳細ご存知の方、ご連絡お待ちしています。
2013SS 果物(Fruits)
このあたりから見覚えのある柄が増えてくるのではないでしょうか。
大きめのフルーツがあしらわれたプリント。
この柄のブレザーやパンツをよく見る気がします。
この切手のような紙に描かれている絵が原本のようです。
2013AW Saffrage(選挙権)
「女性に参政権を!」という主張の柄。
戦争モチーフもそうですが、意外とポールハーデンのアイテムには政治的主張を盛り込んだものが少なくありません。
イラスト元を調べてみたんですがたどり着けませんでした…
2014SS 鳥(Birds)
これもよく見かけますね。
リアルな数種類の鳥がプリントされています。
ちなみにこの柄、一時期ニセモノが多く出回っていたのでオンラインで買われる場合は注意してください。
↑これとかはニセモノですね。
プリントが薄くて(コントラストが低い)、色どりも鮮やかではありません。
左がニセモノのタグ、右が本物のタグです。
サイズ表記のアルファベットが細い書体なのがニセモノの特徴です。
このあたりはポールハーデンのニセモノ判別の記事でもう少し詳しく書きたいと思います。
2014AW Monster(モンスター)
実は好きな柄。
さまざまな怪物が描かれています。
怪物たちに「NO WAR」や「NUKE FUK」など、政治的メッセージが書かれているところも面白いです。
2015SS 葉っぱ(Botanical)
人気の高い植物柄。
全体をとおして見ても植物モチーフはとても多い印象です。
わたしの知る限りでですがもっともニセモノの多い柄でもあります。
購入される際は充分に注意してください。
2015AW 犬(Dogs)
秋冬らしい重めな色味とコントラスト強めな柄モノ。
2011AWでも描かれた犬と少女とモチーフは同じですね。
Dogs、と言いつつ馬も描かれています。
2016SS 貝(Shell)
貝殻の図鑑のプリント。
遠目で見ると思ったよりうるさくなくて身につけやすい柄です。
ELTの持田香織さんが番組で着用していたのですがどうやっても画像が出てきませんでした…。
2016AW アネモネ(Anemone)
わたしが一番好きな柄。
ANEMONEとはイソギンチャク(SEA ANEMONE)のことですね。
ポールハーデンの服との相性もそうですが、デニムに合わせるだけでもとてもかっこいいプリントです。
アネモネ柄のスラントシャツはこちらでもご紹介しています。
16AW ANEMONE 総柄スラントシャツ / Paul Harnden(ポールハーデン)
2017SS ボタニカル(Botanical)
2016SSに続いて春夏シーズンは連続の植物柄。
葉っぱやおしべの図解が全体にあしらわれています。
全体的に緑を基調としているのでアイテムにしたときにまとまりがありますね。
2017AW 軍人(Militaire)
軍人がスケッチ調で描かれたプリント。
確か南北戦争をテーマにしてあるプリントだったかと思います。
秋冬にしては珍しいシンプルな柄ですね。
ちなみにベースカラーが黄色がかったタイプもあります。
2018SS ボタニカル・モス(Botanical Moss)
またまた春夏は植物柄。
17SSよりも色どり豊かなプリントです。
スカーフとシャツでは同じ柄でも使われている植物が異なっていたりするのもおもしろいですね。
18SS ボタニカルシルクスカーフ / Paul Harnden(ポールハーデン)
2018AW 鳥人間(Bridman)
白を基調とした鳥人間のプリント。
こちらは原題「The Twigs or Christmas at Ruddock Hall」の挿絵がもとになっています。
それぞれの挿絵を順に辿ることで物語になるのでしょうか。
2019SS 女性(Women)
女性のプリント。
2012SSの兵士のプリントとタッチが似ていますね。
ポールハーデンの柄モノは女性をテーマにしたものが多い印象です。
2019SS 木(Trees)
19SSは2種類の柄があったようです。
フローラル、ボタニカルの流れからスケールが大きくなり木のプリント。
こちらも図鑑からの引用なのか説明文らしき文字が添書きされています。
葉、実などのイラストも描かれていますね。
2019AW 労働者(Labor)
スケッチ調のイラストプリント。
一見すると市民や労働者の生活のシーンのイラストのように見受けられますが、このイラストにも政治的な意味合いもあるのかもしれませんね。
絵の内容から推測して独断で名前をつけたので呼び名についてはあまり信用しないでください…。
番外編
ここからは初期の柄モノについて少しご紹介を。
初期のものは正確に年代判別ができないのですが現在とは違った雰囲気の柄モノが多くとても興味深いです。
てんとう虫(Ladybird Beetle)
てんとう虫が成虫になるまでの過程の図解がプリントされています。
こちらの柄はポールハーデンのトランクの内側の生地にも使用されています。
種(Seeds)
こちらも初期の柄。
種の図鑑の挿絵がブロックチェック状に配されています。
こちらの柄は現在でもサミットキャップなどの帽子類の裏地に使われていますね。
ポールハーデンの柄物には珍しく定番?で使用されています。
バンビ(Bambi)
シャツを駆ける無数のバンビ。
白バンビをベースに、黄バンビ、黒バンビ、グレーバンビがいます。
この柄もなにかの裏地に使われていた気がするのですが定かではありません…
ドクロ(Skull)
これもポールハーデンなの?というこえが聞こえてきそうな柄。
タイトルでドクロと言いましたがこちらはベトナム戦争のときに作られたワッペンが元ネタになっています。
色味などは微妙に変えて整えているようです。
こうして見てみると、初期のプリントは柄が規則的に並んだものが多いですね。
まとめ
ポールハーデンと柄モノは切っても切り離せない関係ですね。
自然や政治にまつわるモチーフが多く、それらは実在する図鑑や挿絵から引用されています。
今後も柄モノはリリースされるでしょうから、毎シーズンの楽しみとしてチェックしたいですね。