今回はsacaiについてのコラム。
ドッキングの手法を用いた異素材の組み合わせやレイヤードによるユニークなシルエットの見せ方などが特徴的なコレクションブランドであるsacai。
ここではそんなsacaiのブランドとしての成り立ちから魅力まで、sacaiのクリエイションの真髄に迫りたいと思います。
sacai(サカイ)ができるまで
デザイナー阿部千登勢
デザイナーは阿部千登勢。
1965年岐阜県に生まれ、仕立て屋で働く母親の影響で幼少期から服づくりが身近なものだったこともあり、幼少期からファッションに慣れ親しんでいたようです。
母親の仕事場であるブティックを手伝っていたり、仕立て作業の見学をしていたことで幼少期のうちからセンスや才覚が養われていくこととなります。
デザイナーを志すきっかけになったのは小学5年生のころ何気なくテレビで観た三宅一生氏。
ISSEY MIYAKEの世界観に触れた彼女はデザイナーという仕事に深く感動し「自分もこうなりたい」と強く感じたようです。
このころから周囲の友人と同じような格好をすることに違和感を覚えはじめ、母親にベルボトムをスリムシルエットに変えてもらうなどファッションに対してのこだわりが現れはじめるようになります。
高校生のときにはCOMME des GARCONSに別ブランドの洋服を縫い合わせるといった、sacaiの異素材・再構築のもとになるようなリメイクもおこなうように。
ブランドが掲げる「日常の上に成り立つデザイン」というコンセプトの原点はこういった些細な体験からきているのかもしれませんね。
それから名古屋ファッション専門学校服飾科に入学。卒業後は大手アパレル会社のWORLD(ワールド)に入社。
WORLDではアパレルの基礎を2年間学び、その後1989年にCOMME des GARCONSに入社することとなります。
入社当時は渡辺淳弥氏がtricot COMME des GARÇONSのデザイナーを務めており、氏の自身の名前を冠した新ライン(JUNYA WATANABE COMME des GARÇONS)を立ち上げようとしているタイミングでした。
川久保玲以外のデザイナーが名前を冠したブランドを誕生させるというCOMME des GARÇONSのまさに変革期。
阿部千登勢さんはこの立ち上げに携わることとなります。
このときのブランド立ち上げの経験や、担当していたニットウェアのパタンナーや企画の経験が、のちのsacai立ち上げへと大きく影響してくることになります。
躍進と苦悩
1996年にはkolorのデザイナーである阿部潤一と結婚。
翌年、出産・育児のために約8年間勤めたCOMME des GARÇONSを退社し、子育ての道を選びました。
一度ファッション界から身を引くことになった彼女ですが、夫からブランド立ち上げを勧められたことをきっかけにニットを3型制作します。
育児に追われる生活の中で感じた、日常で機能的な服のディテールや自身が欲しいと思えるものを形にしました。これがsacaiのはじまりです。
ブランド名も彼女の旧姓である坂井からsacaiと名付けられました。これも夫である潤一氏のアイデアであったといいます。
(余談ですが坂井という名前なら本来のスペルはsakaiですが、kがcになっています。またkolorも本来はcolorが正しいスペルですから、お互いのスペルをひとつ交換しているのではないかと思います。)
1999年、sacaiとしてのはじめてのコレクションは自宅を会場として発表されました。
3型のニットの発表ととても小規模でしたがそれとは裏腹に注文が殺到、その3型を見たバイヤーからのリクエストでさらに2型が追加され、計5型がsacaiのファーストコレクションとなりました。
はじめの3着は手編みのセーターをベースにしていて、それらは家事や育児の合間の時間に千登勢さん本人が編み上げたものであったそう。
それぞれ内側にブラウスの生地がついていたり、後ろにゴムがついていたり。
ニットと布帛を合わせた素材使いは今のsacaiのドッキングを彷彿とさせるようなアプローチ。
このセーターたちはまさにブランドの原点であったといえるでしょう。
資金や時間の余裕も限られている中での製作、ましてや家事育児と並行してブランドを動かしていくというのは並大抵のバイタリティではないと思います。
現在のsacaiは世界中の人たちが注目する一大モードブランドへと成長を遂げていますが、そこに到達するまでには努力と苦悩、葛藤の歴史があったのでしょうね。
自分の全てだった仕事を辞めて、娘を産んで、生活がガラリと変わりました。正直、仕事を離れたことに少し寂しさが残っていたかもしれません。でも、そのわずかな期間で自分自身をリセットすることが出来ました。それまで考えていたファッションブランドの姿は、1シーズンに何十型、時には何百型をデザインし、ファッションショーで大々的に発表し、そのすべてに全身全霊を注ぐものだと思っていました。でも、それが全てではないと考えたんです。
例えば3型くらいなら、子育ての合間に特別なものが作れるかもしれない。そういう小さくてスペシャルなブランドって、きっとどこにもない。そんな思いで子育ての傍ら、自分にとってスペシャルなニットを編み始めました。材料費は数千円。たった3型ですが、大事なのはオリジナルの価値観なんです。
Fashionsnap.com
二度の大賞受賞
その後、セレクトショップやスタイリストを中心にじわじわと人気を獲得し、やがて世界中へと店舗網を拡大していきます。
「世界のどの場所でも同じようにこの新しい価値観を伝えたい」という思いから、2004年に展示の拠点をパリへと移します。
2006年には、スペシャルなものという思いを込めて宝石や原石を意味する「gem」を冠したsacai gemを発表。
DOVER STREET MARKETの前身でもある南青山のセレクトショップ「10 corso como COMME des GARÇONS」のエクスクルーシブカプセルコレクションとしてのローンチでした。
退社から10年という月日を経て、世界的なブランドとしてまたCOMME des GARÇONSのもとに帰ってくるというのは感動的で込み上げてくるものがありますね。
この年、あわせてランジェリー・ホームウェアラインであるsacai luckもスタートさせ、ブランドとしても大きく飛躍する年となりました。
翌年の2007年、阿部千登勢は毎日ファッション大賞を受賞します。それはsacaiを立ち上げた1999年に渡辺淳弥が受賞した賞でした。
不思議な巡り合わせというか、感慨深いものがありますね。
2009年春夏にはメンズコレクションもスタートすると、同年10月にはパリのファッションウィークでレディースコレクションのショーを開催。その後もパリでの発表を続けています。
そして2015年、阿部千登勢が二度目の毎日ファッション大賞を受賞することとなります。
「この一年の活躍は群を抜く」「他ジャンルにも多大な影響を与えている」などの選考理由から、選考会の全会一致で受賞が決まりました。
それまでに大賞を二度以上受賞したのはたった4人。
COMME des GARCONSの川久保玲、Yohji Yamamotoの山本耀司、UNDERCOVERの高橋盾、そして阿部千登勢さんが憧れ続けたISSEY MIYAKEの三宅一生です。
この二度の受賞によってレジェンドたちに名を連ねた阿部千登勢さんは誰もが認める日本のトップデザイナーとなったことでしょう。
日常の延長線上にある服
ここまで阿部千登勢さんのキャリアについて見てきましたが、ここからは実際のクリエイションについて触れていきましょう。
sacaiのブランドコンセプトは。「日常の上に成り立つデザイン」。
先述したファーストコレクションのニットたちは阿部千登勢さん自身が着たい、と思える服を作ったそうです。
家事や育児と向き合う中で、それまでCOMME des GARÇONSで行なっていたクリエイションとは違う、実生活に寄り添う「等身大の洋服」の良さを実感するようなこともあったのでしょうか。
日本を代表するモードブランドということもあってsacaiの洋服には華やかで特別な服、というイメージがありましたがsacaiが本当に提案したいものはあくまで日常を土台とした洋服たちだということなのでしょうね。
ひとつひとつのアイテムに注目して見てみるとニットやシャツ、スカートなどベースとしているアイテムそのものとしては特殊ではないことがわかります。
何百年もの歴史があって現在のかたちがあるそれらのアイテムたちをもう一度じっくり見つめ直し、再解釈することでsacaiらしく表現する。
sacaiはまさに日常に溶け込むアヴァンギャルドを体現しているといえるのではないでしょうか。
相反する要素のミクスチュア
非日常を彩るための服ではなく、日常に新しさを届けるための服づくりを続けるsacai。
そんなsacaiを語る上で欠かせないコンポーネントとして、相反する要素のミクスチュア(混合)があります。
それは単純に異素材を掛け合わせるだけでなく“スポーツウェアとオートクチュール”や、“フェミニンとマスキュリン”など、テイストが正反対のものを混合させたりもしています。
相反する要素を混ぜ合わせることで、単体では見慣れたものも見たことのない独創的なものに生まれ変わり、その良い意味での違和感があるからこそsacaiにおけるシーズンを超えたアイデンティティになっているのでしょう。
また、sacaiのコレクションルックのスタイリングのシルエットなども特徴的で、オーバーサイズにしたりシェイプを効かせたりとコントラストを持たせることで、日常では気に留めないアイテムたちが少し「異質」なものとなって際立ちます。
そこにレースやシフォンなどの繊細な素材と、デニムやレザーなどの丈夫な素材といった正反対の要素をもつ素材を組み合わせたりすることで、各ディテールは見たことのあるものばかりなのにトータルで見ると今までに見たことのない強烈なデザインとして際立つのでしょう。
これらのデザインは先ほどの章でご紹介したように日常の中からインスパイアされていて、街を行き交う人たちがデザインソースになってもいるようです。
これはひとりひとりのスタイリングを見ている、というだけでなく街全体をひとつのスタイリングとしたときにレザーを着ている人もいれば柔らかいチュール素材を身につけている人もいるわけですからそれらを渾然一体に捉えてまったく新しいデザインを生み出しているのですね。
ただ日常に寄り添うだけのリアルクローズではなく、革新的なアプローチを行ったsacaiらしいリアルクローズだといえます。
また、sacaiが得意とするレイヤードの手法も大きなくくりでいえばミクスチュアの要素のひとつといえるでしょう。
異なる素材やデザインのアイテムを重ねることで、奥行きと立体感を生み出し、新しいシルエットを生み出しています。
ただ単純に生地を付け足したり重ね合わせているのではなく緻密な計算と絶妙なバランス感覚によって成り立っていて、生地を重ね合わせる手法自体は誰でもできるのにも関わらず、そのレイヤードされた洋服を見て「sacaiっぽい」とわかってしまうオリジナリティがあるというのは本当にすごいだと思います。
生地を生かす取り組み
sacaiは「ZANTAN」シリーズと称して過去のアーカイブ生地の残反を活用したアイテムをリリースしています。
ドッキングアイテムも多くさまざまな生地を使うsacaiですから、その分残反(余り生地)も多く出てしまうことでしょう。
世間一般的には残反と聞くと「製品を作って余った生地」と、あまりポジティブなイメージで受け取られない言葉ですが、あえてシリーズの名前としてつけることで一着の洋服を作る上でどうしても出てしまう余剰生地があることを我々に伝えてくれています。
世界的なブランドでありながら(世界的なブランドだからでしょうか)そのようなスタンスを明らかにして持続的なブランド運営をおこなう姿勢は本当に素晴らしいことだと思います。
のちほどご紹介するA.P.Cとのコラボレーションも残反にフィーチャーした取り組みであったりと、その姿勢は自身のブランドだけでなくコラボレーションにまで派生しています。
日常の延長線上のコラボレーション
sacaiといえば多数のブランドとのコラボレーションが印象的ですが、それらのコラボも阿部千登勢の日常の延長線から生まれているものが多いようです。
NIKEやTHE NORTH FACE、PORTERやCarhartt、Levi’sといったワールドワイドに「普段着」として親しまれているブランドたちとコラボレーションしていたり、逆にACRONYM、DIOR、Cartierといった一見すると日常とはかけ離れたように感じるブランドですが、阿部千登勢が個人的に仲の良い友人たち(彼女の言葉では「ファミリー」と表現されます)との食事や会話の中で何か一緒に作ろう、と話が持ち上がり実現したコラボレーションもあります。
ここではそんなsacaiにまつわるブランドたちとのコラボレーションを紐解きながらsacaiをもう少し深掘りしていこうと思います。
NIKE(ナイキ)
sacaiのコラボレーションといえばこのNIKEをまず思い出す方も多いのではないでしょうか?
こちらの2015年から続く定番のコラボレーションは数々の名作コラボスニーカーも生み出しました。
Vaporwaffle(ヴェイパーワッフル)は特にsacai×NIKEを象徴するスニーカーで、NIKEの隠れた名作である「ペガサス」「ヴェイパーフライ」という2種類のスニーカーをドッキングしたデザインになっています。
ペガサスのワッフルソールとヴェイパーフライの特徴的なソールを重ねたソールデザインはまさにsacaiのイズムであるハイブリッドを象徴するデザインですし、シュータンやシューレース、スウォッシュロゴをそれぞれ2つずつ重ね合わせているのも2つのスニーカーのハイブリッドを表しているのでしょう。
そのほかマグマスケープやブレーザーミッドなど、ハイブリッドの要素を盛り込んだ秀逸なデザインのスニーカーを多数リリースしています。
JEAN PAUL GAULTIERやFRAGMENT DESIGNとのトリプルネームも非常に話題となり、今やNIKEを代表するコラボスニーカーとなっています。
THE NORTH FACE(ザ ノースフェイス)
2017年の秋冬コレクションに合わせて発表されたTHE NORTH FACEとsacaiのコラボレーション。
コレクションでも着用されたことで大きな注目を集めましたが、他のコラボレーションと比べてドッキングなどハイブリッドの要素が少なく、また配色もシンプルでTHE NORTH FACEのスタンダード感を尊重した印象を受けました。
sacaiらしい要素として配色の切り替えが挙げられますが、配色の切り替え箇所がショルダーパッチやエルボーパッチなどのような、ワークやミリタリー、アウトドアのディテールからインスパイアされていたりと、長い歴史を持つTHE NORTH FACEとのコラボレーションにふさわしい質実剛健なデザインだなと感じます。
またLong Coatという、その名のとおりモッズコートのように身体を大きく覆うようなコートがリリースされたりと、よりスタイリング要素の強いsacaiらしさも詰め込まれたアイテムも見られました。
A.P.C(アーペーセー)
2021年に限定カプセルコレクションとして発表されたsacaiとA.P.Cのコラボレーション。
A.P.Cの定番アイテムでもあるナイロン素材のボンバージャケットに同じく定番のデニムジャケットを貼り付けるようにドッキングしたアイテムなど、A.P.Cのベーシック感は残しつつsacaiらしいハイブリッド感をプラスしています。
また、2023年にはsacaiとコラボレーションしたA.P.Cのキルトコレクション、「A.P.C QUILTS ROUND 23(アーペーセー キルト ラウンド23)」を発表。
A.P.Cとしては第23弾となるこのコレクションではsacaiの余剰生地を使用したラグやクッションがリリースされました。
先ほどの章でご紹介した残反を活用した取り組みはこのようにコラボレーションにまで派生し、sacaiの中でひとつの表現方法として確立されたような感じがします。
PORTER(ポーター)
2014年秋冬からのコラボレーション発表から定期的に行われているsacai×PORTER。
ファーとのドッキングや、定番バッグを裏返したデザインなど、sacaiのエッセンスがふんだんに詰め込まれたアイテムが多数リリースされていました。
日本を代表する鞄ブランドであるPORTERをキャンバスにして、sacaiらしさを存分に表現した素晴らしいコラボレーションだといえるでしょう。
今後も継続的に展開されるのが楽しみなコラボレーションです。
Carhartt WIP(カーハートダブリューアイビー)
Carhartt WIPはCarharttのワークウェアの要素は残しつつも素材をより上質に、シルエットは現代的にと、すべてをアップデートして仕上げられたライン。
そんなCarhartt WIPとのコラボレーションが2023AWに実現しました。
Carharttのアイコニックなアイテムでもあるダック生地のカバーオールやミシガンコートにsacaiのシグネチャーであるナイロンツイル地を融合させるなど、互いのアイコニックな要素を掛け合わせワークウェアをより日常に馴染むデザインへとアップデートしています。
また、翌シーズンの2024SSでもこちらのコラボの第二弾が発表され大変話題となりました。
2024SSではCarhartt WIPのシグネチャーアイテムを解体し、sacaiの視点と手法で再構築されたものが印象的でした。
インサイドアウト(裏側を表として見せるアプローチ)であったり、裏地がワークジャケットのディテールになっていたりと、2023AWのコラボレーションからさらにアップデートを加えられています。
Levi’s(リーバイス)
執筆時現在での最新コレクション、2025SSにて発表されたLevi’sとのコラボレーション。
ヴィンテージ感のあるウォッシュがかった生地のデニムを使用しつつ、構築的でモードに魅せるそのデザインセンスには驚かされます。このコラボレーションの目玉であろうデニムジャケットはLevi’sのヴィンテージジャケット1st、2nd、3rdを一着にドッキングしたもの。
Levi’sの解体再構築コラボに関してはJUNYA WATANABEやVETEMENTSなどもおこなっていますが、このアプローチは今までなかったように思います。
みんなが見慣れたアイテムをまだ見たことのないものへ昇華する、sacaiが長年培ってきた再構築のサヴォアフェールがなすところだといえるでしょう。
Cartier(カルティエ)
2022年に実現したコラボレーション。
Cartierとのコラボレーションはカルティエのもっともアイコニックなジュエリー「トリニティ」を、阿部千登勢がアレンジするというものでした。
「みんなが知っているものを、みんなが知らないものにデザインする」というsacaiのコンセプトをベースに、見たことのないトリニティが数多く生まれました。
阿部千登勢がはじめて手にした「本物のジュエリー」がトリニティだったそうで、彼女にとっても身近で等身大のブランド、アイテムだったのでしょう。
ネックレスやピアスなど、トリニティのエッセンスはそのままに、今までにないアイテムがリリースされました。
TEN-C(テンシー)
2020年の秋冬に合わせて発表されたsacai×TEN-Cのコラボレーション。
それまではカジュアルでオーセンティックなブランドや、ラグジュアリーモードなブランドとのコラボレーションが多かったのでそれらとはまた違ったテイストであるTEN-Cとのコラボレーションというのは正直びっくりしました。
TEN-CについてはD’arteでもコラムを書いていますが、TEN-Cがハイテクノロジーな素材使いやヴィンテージワークやミリタリーをもとにしたデザインが特徴的なブランドなこともあって、sacaiとのコラボレーションが発表されたときは確かに驚きもあったものの、親和性の高い素晴らしいコラボレーションだと感じました。
TEN-Cの代表的なアイテムであるANORAKをインサイドアウトに再構築したブルゾンは、本来ライナーとして取り付けるダウンライナーが外側(シェル)としてドッキングされており、またカラーリングもsacaiらしい自由で遊び心のある明るめのグリーンと、これまでになかった新しいTEN-Cの表情を見せてくれています。
他にもCAR COATとPARKAというモデルをドッキングしたコートなんかもリリースされていました。こちらは窪塚洋介さんが着用したことでも話題になりましたね。
ACRONYM(アクロニウム)
2022年春夏メンズコレクション、リゾートウィメンズコレクションにて発表されたsacai×ACRONYM。
素材切り替えやディテールのユニークなあしらいが特徴的で、sacaiのハイブリッド感を存分に感じられるコラボレーションです。
メインのシェルにはACRONYMではお馴染みの3レイヤードのウォータープルーフ生地が使用されており、両ブランドの特徴がハイブリッドされたさまを感じられます。
また、ACRONYMとしては初となるドレスをリリースするなど、このコラボがなければ生まれなかったであろうアイテムが誕生したりとブランドへ大きな影響を与えることとなった意義あるコラボレーションだったといえるでしょう。
ここまでのコラボレーションの多くに共通することですが、コラボレーション相手のアイコニックなアイテムをベースにsacaiのエッセンスを加えているような手法が多く見られます。
ブランドの顔ともいうべきアイコンのアイテムというのはどのブランドも持っているものかもしれませんがsacaiのすごいところは、sacaiにとってのアイコニックなものは具体的なアイテムや柄などではなくその手法にあるということ。
特定のアイテムや柄を持たないsacaiだからこそ、コラボレーションの相手ブランドをより今までになかったようなかたちにリデザインすることができるのでしょう。
MONCLER(モンクレール)
2023AWに発表されたsacai×MONCLER。
ダウンを基調としつつも、ジャケットやスカートなどとのハイブリッドアイテムが印象的で、MONCLER生誕70周年を飾るにふさわしいコラボレーションとなりました。
もともとsacaiは「MONCLER S」という名前のMONCLERの期間限定別ラインを2010年から6シーズンにわたって手がけていました。
MONCLERの別ラインといえば「MONCLER V」(× visvim)や「MONCLER O」(× OFF-WHITE)など、コラボブランドのアルファベットを冠したライン名が特徴。
MONCLER Sはその中でも6シーズンの展開という非常に長いコラボレーションとなりました。
このMONCLER Sの実績によってsacaiの認知度は世界中で高いものとなり、
2023AWのコラボレーションもその高い信頼から実現したといえるでしょう。
DIOR(ディオール)
2021年に実現したコラボレーション。
DIOR×sacaiのビッグコラボに当時驚いた方も多かったのではないでしょうか?
当時のDIORのメンズ アーティスティック ディレクターであったキムジョーンズと阿部千登勢は古くからの友人だそうで、一緒にご飯を食べて話している中で一緒にやろうと話が始まったそうです。
DIORのテーラリングをベースにsacaiのスポーツウェアのテイストを組み合わせたアイテムが多くリリースされ、それらにはsacaiの特徴でもあるハイブリッド(融合)の手法も随所に見られました。
ブランドロゴもこのコラボレーションのためにアレンジされた、Diorの“i”の文字をsacaiのロゴにカスタムしたものが使われていて、ロゴのデザインからもハイブリッド感を感じることができます。
UNDERCOVER(アンダーカバー)
2020年に発表されたsacaiとUNDERCOVERのコラボレーションはMA-1がリリースされました。
sacaiらしいナイロンの素材使い、MA-1にテーラードカラーをレイヤードドッキングしたようなデザイン、そしてUNDERCOVERのエッセンスが存分に感じられる背面のメッセージプリントと両ブランドの特色が調和した素晴らしい一着でした。
sacaiとUNDERCOVERは2018年春夏コレクションを合同でおこなっていたりと親しい間柄で、そのコレクションの際にもsacaiのアイテムにメッセージがプリントされているなどそれぞれのコレクション発表という垣根を超えた合同ショーとなっていました。
また、NIKEとのトリプルネームのスニーカーも人気を博しており、日本を代表するブランド同士のコラボレーションに今後も目が離せません。
そのほか、陶器ブランドのアスティエ・ド・ヴィラットや、高級車メーカーのメルセデスAMG、オーディオブランドのBeatsなど、業界の垣根をこえたコラボレーションも多数おこなわれています。
それほどにsacaiがファッションブランドの中でも強いコンセプトとデザインアイデンティティを持っている証拠といえるでしょう。
D’arte(ダルテ)で取り扱っているsacai(サカイ)の商品たち
D’arteにある商品を掲載しておきます。
ONLINE SHOPへのリンクも貼っておきますのでもし興味が沸きましたらアクセスしてみてください。
19SS ×Dr.Woo ドッキング刺繍スカジャンブルゾンジャケット / sacai(サカイ)
21SS Double Loafer コインローファー 37 / sacai(サカイ)
22SS Rug Jacquard Knit Pullover ラグジャガードニットプルオーバー セーター / sacai(サカイ)
sacai サカイ VaporWaffle Black Gum ヴェイパーワッフルスニーカー / NIKE(ナイキ)
16AW メルトンウールセットアップスーツ / sacai(サカイ)
sacai(サカイ)のお買取について
D’arteでは、モードブランドの買取をおこなっております。
思い入れがあるけれど着ていない、使っていないお洋服などございましたら一度メールにてご相談くださいませ。
このコラムに辿りついて読んでくださった貴方のお持ち物に興味があります。
tekuhomme@darte.jp
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