ILCEA社のRADICA(ミュージアムカーフ)について
今回は僕がデザインをしているレザーブランド、「una」で使用しているRADICAという革についてご紹介します。
イタリアの老舗タンナー、ILCEA社が生産しているボックスカーフの亜種。
きめ細やかなカーフにコントラストの効いた雲のようなムラ感があるラグジュアリーなレザーです。
手作業で一枚ごとに染色されています。
もともとはJOHN LOBBのためにILCEA社が大理石の模様をイメージして開発したのが始まりでRADICAが誕生しましたが、JOHN LOBBではその革をミュージアムカーフと呼んでいました。
いつしかそれがムラに染め上げられた革の通称として「ミュージアムカーフ」と呼ばれるようになりましたがもともとの名前はRADICAが先で、いわば元祖ということになります。
国内でも姫路のタンナーがミュージアムカーフを作っていたり、イタリアのゾンタ社なども生産していますが個人的にはILCEAのものがもっとも色の奥ゆきとコントラストが明確で美しいと思います。
RADICAのミュージアムカーフは一度にムラをつけてしまうのではなく、一枚の革につき複数回の染色→乾燥をおこない少しずつムラをつけていく生産方法を採っています。
そうすることでより濃度の幅が出て色に奥ゆきが生まれるのですね。
が、その分とてつもなく時間がかかるので一枚の革が完成するまでに(乾燥も含め)1ヶ月以上はかかるようです。
このように時間と手間がかかる生産方法であることから流通量も少なく、日本にすべての色が在庫として揃っていることはほとんどありません。
イタリアからの取り寄せになることが多いので使用しているブランドも少なく、かなり高価な革なのでカジュアルなレザーブランドではなかなか使う機会がありません。
でも、私たちはまさにこんな革を探し求めていました。
単一的、作為的ではない、アルチザン然としていて上品な革。
こちらの革で特別なNAGIのシリーズをリリースしていこうと思います。
まずは今紹介したミュージアムカーフからスタートして、今後も月替わりにプレミアムな革をご提案できればと思っています。
ミュージアムカーフのお色はダークブラウンでNAGIの財布を4型用意しました。
仕入れられた革から取れる分で財布を作るのでかなり数が少ないです。
私たちも思い入れがあって使用している革ですのでぜひお使いいただきたいです。
↓ミュージアムカーフの製品はこちらからご覧いただけます。(unaのページに飛びます)
una museumcalf